新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界②[有限会社オンデマンド印刷]


2018年12月6日、「第2回定例会」を開催。「新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界」をテーマに、印刷技術を核とした販促アイデア商品の開発に取り組む企業から事例紹介が行われた。



オンデマンド印刷一筋で未来を創造

間中裕之氏

当社は、印刷会社として25年と比較的浅い歴史ですが、「オンデマンド印刷」という言葉がなかった時代に創業し、オンデマンド印刷の分野に特化して事業を展開しています。


当社は愛知県にある有限会社OBS、株式会社オンデマンド、有限会社オンデマンド印刷、株式会社プリコの4社でグループ企業として事業を展開しています。有限会社OBSはグループの基となった会社であり、日本有数の工作機械メーカーの中で現会長が内部ベンチャー企業として創業し、取扱説明書をオンデマンド化したのが始まりになります。


創業から3年後には有限会社オンデマンド印刷を愛知県の印刷会社と共同出資で設立し、翌年に営業部門、システム開発部門の事業を分社化するために株式会社オンデマンドが設立されました。株式会社オンデマンドと有限会社オンデマンド印刷がある名古屋事業所は、社員30名とパート10名の40名が在籍し、社屋は2015年に新築のビルに入居しました。


当社では基本的に社内でデザインや組版業務を行っていません。お客様からいただいたデータを当社の機械で安心に印刷できるようにデータプレーディングをするのが主な業務になります。


オンデマンド印刷の分野では短納期がひとつの障壁になっています。完全データはあまりなく、不具合があってお客様にバックすることがよくあります。当社では入稿データに不備がないか、すぐに相談できる環境づくりを意識しています。


40名規模の印刷会社ですが、システム開発をするSEが2名常駐しています。自社サーバの管理・運用はもちろんですが、受注システムや自動印刷などのプログラムを自社開発しています。


現在、モノクロ機10台、カラー機7台の計17台を設備しています。年間のカウント数はモノクロ機が8000万カウント、カラー機は1200万カウントです。印刷機は全て富士セロックス製になり、17台の機械を3~4名でオペレーションをしています。当社では100種類各1部といった手間のかかる仕事が多く、これらを1種類100部と同じ作業で出力することができる独自のワークフローで効率化・省人化に成功しています。


オンデマンド印刷に特化した加工機も多数設備しており、全て内製対応しており、超短納期対応も可能です。また、バーコードを読み取ることで検査をしたり、加工機の設定を自動で変更するなど、加工や検査の工程においても機械化・自動化に取り組み、自動化・機械化することで人によるバラツキをなくし、安心・安全な商品を提供する体制を整えています。


当社の製品カテゴリーは、設立当初は60%以上が取扱説明書であり、テキストを含めると70%以上でしたが、現在では取扱説明書は電子化や内製化の影響で約3分の1に減っています。


しかし、テキストは倍増しています。なぜテキストが今も20%の売り上げが残っているかというと、カスタマイズテキストや小ロットテキストを受注から独自のシステムで自動化することで顧客の囲い込みができたからです。


その他というカテゴリーでは4倍ほど増えています。これらは可変のチケットや商品券・DMなどの印刷データを印刷するだけでなく、データベースを印刷する仕事が増えてきたからです。


現在、個別学習塾のテキストでコンテンツ数は約800種類あります。毎週月曜日に個別学習塾から50~100個程度の発注があります。発注の中身としては、500種類のコンテンツを2000冊から多い時で1万冊程度を中2日で個別学習塾に直送するという案件になります。


当社では、同じ冊子であっても、まとめて作って後で仕分けをしておらず、発送する学習塾単位で製造しています。個別学習塾は当社が用意した発注システムに必要なテキストと数量を入れれば、発注が完了となります。


発注していただくと当社にCSVの注文リストが届き、プログラムを介して必要な単元を自動で抜き出して面付けし、管理用のQRコードを印刷ドキュメントに付与します。同時に印刷用のJDFと管理用、納品書などを生成してプリンタに自動送信します。


現システムで運用して5年ほどになりますが、不良や出荷漏れのクレームは1件も起こっていません。このような仕組みで受注から製造している案件については、他社ではできないサービスで看板を維持しています。


しかし、設備があるだけで仕事が来た時代ではなくなり、販促活動で受注件数を増やさない時代の中で、長く御用聞き営業スタイルだったため、新規活動が一切できていませんでした。「これではまずい」と思い、まずは全社員が危機感や自社の強み・課題を認識する必要があると感じ、3年前に全社員による新商品企画発表会を開催しました。


成果は想像していた以上に大きく、全員が自社の強みや存在価値を再認識して、新しいことにチャレンジする空気が生まれてきました。そして、「パララ」や今年から新事業化した「バラエティーマテリアル」につながるような商品企画も生み出されました。


「パララ」はスマートフォンで撮った動画を入稿するだけでオリジナルのパラパラ漫画風のメモ帳ができるものです。展示会やイベントのノベルティとして採用されたほか、スポーツ球団のグッズや学校の卒業記念にも使われています。


さらに、今年はUVプリンタとレーザー加工機を導入し、紙以外の媒体への印刷・加工にもチャレンジしています。


当社では、オンデマンド印刷、本業で培ったデータパブリッシングの強みや他の印刷方式と組み合わせたシール商品を現在開発中です。素材の開発や大掛かりな仕組みの新商品開発は時間も費用もかかりますが、今の技術やノウハウをアイデアで組み合わせることで新商品はできると思います。


今後の展望ですが、コンシューマー向けにもオリジナル商品を販売できるECサイトを構築中です。来年1月から運用開始を予定しています。当社では現在、工場見学を随時開催しています。ぜひ一度ご来社いただければと思います。



■有限会社オンデマンド印刷

「オンデマンド印刷」という言葉がなかった時代に創業し、オンデマンド印刷の分野に特化して事業を展開。お客様第一主義のもと、「タイミング」「量」「品質」3つのキーワードをもとに事業推進をしている。

WEBサイト:http://www.ondemand.co.jp/



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