新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界①[兵田印刷工芸株式会社]


2018年12月6日、「第2回定例会」を開催。「新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界」をテーマに、印刷技術を核とした販促アイデア商品の開発に取り組む企業から事例紹介が行われた。



インクジェット印刷機とマーケティングで需要創出

兵田好雄氏

当社では、「インクジェット印刷機の導入とマーケティングで未来の印刷技術を創造する」をスローガンに掲げて新たな挑戦を始めています。


当社は創業50年ほどの会社であり、過去にはオフセット印刷が中心でしたが、近年ではデジタル化への移行を進めており、2018年8月に8色印刷機を出し、B2サイズインクジェットデジタル印刷機「JetPress 720S」を導入しました。


私自身は、今日まで30年以上にわたって印刷業に携わってきましたが、「JetPress 720S」を導入したことは大きな決断でした。これまでは、ハイデルベルグのユーザーでプリネクトを日本で最初に入れた会社です。


JSPIRITSの「PrintSapiens」とプリネクトでJDFの運用を開始したのが10年前であり、翌年には富士フイルムの「XMF」、「i Autolay Magic」というシステムを採用し、業務の効率化を図ってきました。XMFはリモート校正や社内校正で使っており、「i Autolay Magic」は営業の窓口という形で、今までベタベタに営業マンが回っていましたが、それをできるだけIT化するという形で採用しました。


その時からセットレスに向けてチャレンジしてきましたが、オフセットの印刷会社がデジタル印刷機を入れると、慣れているオフセットの方が使いやすく、なかなかセットレスが活躍できませんでした。そこで、何か活躍させる手段はないかと考えました。


当社は教育関係の仕事が多くあります。学校や塾では、少子化問題でマーケットがますます小さくなっており、今まで何万という単位での発注でしたが、最近ではロットが大きく変わってきました。そうした環境下にあって、デジタルの仕事で何とか未来をつかみたいとの思いを強め、「IT化による人間力の向上」をコンセプトにITを活用した戦略で変わっていこうとしています。


2017年1月にマーケットが多品種・小ロットに向かっていることからPOD機を導入し、デジタルの仕事に特化して1部から印刷ができる体制を整え、そうした仕事をどんどん取っていこうということで始動しました。


私自身、オフセット印刷機は捨てたくないと思っていましたが、営業利益が2年連続赤字になり、「オフセットの分野を頑張っても価格が下がり、仕事も減っているため、どこかで切り替えないと仕方がない」と判断し、8色機を捨てて、「JetPress 720S」を導入しました。


実は4月末に17年間勤めていたオペレータが退職しました。新たにオペレータを雇って教育することも考えましたが、以前から将来的にフルデジタル化をしたいという気持ちが強くあり、「オフセットがあるとオフセットの呪縛から逃れられない」と考え、思い切ってフルデジタル化する決意をしました。


「可変印刷ができる」という発想で「JetPress 720S」を導入しましたが、B2サイズが刷れる点も大きな要因となりました。最初は8色機を捨ててまでデジタル印刷機をベースにするためには試案しましたが、印刷機がどうのこうのというのは昔の時代の話で、今はオンデマンドで刷ろうが、デジタルで刷ろうが、お客様には関係ありません。機械というのは自分自身のプライドだけで、それなら捨てた方が良いという思いに変えました。


すぐにビジネスに結び付くというわけにはいきませんが、可変データなど、印刷の未来を創造するというイメージは持っています。「JetPress 720S」を導入することによって、版という概念がなくなりました。今までは500部でも版があったために当社でも「2000部の方が安いですよ」という営業をしていました。以前はそれで受け入れられましたが、今はそうはいきません。必要な数があれば良いとういう形になってきています。


創造だけでは商売になりませんので、オンデマンドの良さを生かしていくことを考えなければなりません。そこで版という概念を取ることでたので新しいビジネスが生まれると考えています。


製本機も2台導入します。オフセット印刷機が1台でも残っていたら、インクなど、オフセットのことを考えないといけませんが、オフセットがゼロになるとそこもゼロになります。オフセットでも小ロットが結構ありましたから、そういう部分を考えたら、インクジェットはコスト高いですが、何とかなりそうだという思いがあります。


「JetPress 720S」は、可変印刷に対応でき、1時間あたり2700種類が刷れます。これはオフセット印刷ではあり得ません。そうした点を生かして新しいビジネスが創造できると考えています。スタートライン版がない、実際に機械を入れたら1枚ずつ違うものがどんどん出てくる。版の概念を無視して、新しいビジネスが広がる可能性を感じています。


これまでなら10種類の可変印刷をやろうという発想は出てきませんが、そうした提案ができるようになります。それを考えられるようになったのは1枚から可変印刷ができるという部分です。


同時に「JetPress 720S」は見当がずれることなく印刷できます。この点も生かして発想という部分を組み合わせてフルに活用していくことを考えています。


具体的には、連続性の中でポスターを作っていきます。デジタルサイネージは意外と人の目に留まらないケースもあります。駅の柱には同じ内容のポスターが貼られており、その時に私が思ったのは、「なぜ同じポスターなのか」ということです。よく考えたら、柱が20本あって連続的なパラパラ漫画みたいに貼れば面白いのではないかと考えました。


100枚同じものを刷ろうが、100枚別々のものを刷ろうが、「JetPress 720S」を使えばコストは変わりません。データを流し込んだら自動的にバリアブル印刷ができます。コストもかからず、高解像で細かい部分も再現できます。そういった部分で将来性があるのではないかと考えています。


デジタルの可能性はすごいと思っています。将来は分かりませんが、面白いものができるのではないかということで、ご紹介をさせていただきました。


当社は2018年で創業52周年を迎え、新たな取り組みとして「かゆいところに手が届く」、今までの印刷会社になかった新たな提案と商品提供を主眼に置いて、これからも業務展開を行っていきます。皆さんにも「JetPress 720S」を活用していただければと思っています。



■兵田印刷工芸株式会社

昭和41年設立。 最新の印刷設備・生産管理システムを持った情報伝達のプロとして、お客様が想像・期待した以上の「情報」伝達手段を提案する「印刷機を持ったサービスプロバイダー」を経営方針に掲げ、事業領域の拡大に取り組んでいる。

WEBサイト:http://www.hyoda.com/



■関連記事

ストーリー仕立ての連続ポスター「レンポス」

「新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界」をテーマに第2回定例会を開催

新需要の創造で利益向上を目指す印刷業界②[有限会社オンデマンド印刷]



83回の閲覧

​サイトマップ

トップ

販促アイデア協議会とは

販促アイデア交流会

会員企業紹介

お問合せ

販促アイデア情報カテゴリー

〒530-0054

大阪市北区南森町1-1-26 南森町フジビル2階

TEL:06-6311-0281

​FAX:06-6311-0288

Copyright © 2019 販促アイデア協議会. All Rights Reserved.